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マンション管理組合の健全な運営に役立つヒント集

蓋を開け、見て、聞いて、そして触れてみよう

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我々の生活を取り囲んでいる機械は大凡二つのタイプに分類することができると思う。家庭用の機械と産業用の機械とにである。



家庭用の機械に比べ産業用の機械は一見高度な機械のように思われるが、実態はむしろ逆と心得た方が妥当なことの方が多い。何故なら作る立場の人から見ると、使う人が専門家ではなく主婦だから極めて高度の全方位の配慮が必要となるのである。


また家庭用の機械は製造台数が桁違いに多くなるので使い勝手の良さや見た目にまで設計に十分な費用を掛けても採算が取れる。典型的な例は自動車である。生産量が多く、且つ設計に多くの労力を高密度に投入しているという点に於いて度外れており、要するに機械として洗練された優等生である。家電量販店で扱われている製品の多くはスマホをはじめとして大抵はこの部類に属する。結果として家庭用の機械は、使い易く、故障が少なく、そして価格も安い。


一方産業用の機械は一般に量産の度合いが低いため充分な研究開発費を掛けられないのが実情である。一般に使いづらく、故障も多く、それでいてかなり高価である。


これ等の機械は家庭用に比べて劣っているということではない。単に量産の度合いが低いので機能以外の広範なところにまで十分に費用を掛けられなかっただけのことであり、むしろ家庭用の機械の方が例外的な機械なのである。


多くの人は、日常家庭用の機械にだけ接して生活している。そして機械とはこんなものだと思っている。ところが管理組合の理事になると途端に遭遇することになるのが、産業用の機械の色彩の強い設備機器である。見慣れないことから途方に暮れているうちにこれ等が起こす諸々の問題の対応と判断とを求められることになってしまうのである。


設備機器はごく当たり前の素朴な機械であるにも拘らず、家庭用の機械にしか接したことのない人達からすると、扱いにくさから来る戸惑いと違和感によって実態以上に厄介事に感じられる様になり、結局は素人の常識でもできる素朴な判断まで放棄して、理事責任回避のために業者に丸投げをする様になってしまうことが多い。そしてその結果が高コストメンテナンスへと繋がっていくのであろう。


この現実に対処するにはどうすれば良いのであろうか?慣れない機械を理解すべしと言っても無理なことは承知している。しかし理想的な解決策には遠く及ばなくても、せめてもの対応として、心掛けておいて損のないことを今回は二つお話してみたいと思う。


第一は、設備機器は基本的に産業用の機械で、何時も家庭で使っている機械とは異なり、完成度が低い未熟な機械であるということをまず覚悟して認識し、心の甘えを捨てることである。


しかし産業用だからと言って決して特別なものではない。動物に例えれば、愛玩動物ではないが使役動物なのである。決して猛獣ではない。


愛玩動物の様に愛嬌もなければ躾も教え込まれておらず、身繕いも知らないから美しくもなく所作も粗野であるが、愛情を持って接すれば情に厚く飼い主を裏切ることもない。設計も洗練されていないから欠点も多い。使い勝手が悪く、そして故障もする。要するに開発途上の製品であると心得え、覚悟して使えば良いのである。


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第二は…。「蓋を開け、見て、聞いて、そして触れてみよ」ということをお勧めする。まず解っても、解からなくても良いから、ともかく機械が収まっている箱の蓋を開け、見てみて、音を聞いてみて、それから注意深く触ってみて。動き、音、振動、熱、臭いを感じてみる。(そして、もしあなたが“味わってみる”までやったことのある方だったら以下はもう読む必要はありません)

管理会社の担当者の報告を聞くだけでなく、解っても解らなくても必ず現場に行って実物に触れ自分の五感で感じて、それから専門家の説明と見解を聞くようにしましょう。これだけで違います、何かが違ってきます。

現物に触れると不思議と思考停止して判断を放棄することが無くなり、社会に於けるあなたの日常の当たり前の道理と判断が、徐々にですが機械に対しても同様に機能するようになって来ます。


以上二つは、完全な解決策を示すものではありません。しかし、敵を知り、己を知れば…という諺の示す通り、自分には判断力や解決の力が無いと思っても、相手(機械)の状況を肌で知るようになると、少なくとも思考停止には陥らずにすみ、逃げずに問題と向き合っていると、後は専門家が判断し、解決してくれるようになります。


不思議な事ですが依頼者が本気で問題と対峙している時、専門家はすごい力が出て、とても頼りになるものです。(その上餅は餅屋…というように餅やの部分だけのお支払で済むようになるのです・・・)


動物が病気になった時、治療をするのは獣医であっても、飼い主が横に居て撫ぜてやることに何らかの意味がある程度には、機械に対しても常に触れているということは効果があるようです。これを繰り返していると、段々と問題の多い古い機械とも気楽に楽しく付き合えるようになり、聞き耳頭巾の様に機械が語りかけて来る苦しさや訴えも徐々に聞き取れるようになって来るものです。


今回は具体的な解決策ではなく精神論に終始してしまいましたが、半端に工学を勉強するよりも、心構えだけで結果に相当大きな違いを出せる方策を紹介してみました。


私有自楽





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