10月19日に開催された第1回マンション管理ゼミ「安心・安全のコスト削減はこれだ!! エレベーターのコストのからくり教えます。」のファイナルレポート! 機械が古くなると管理会社やメーカーが提案してくるエレベーターのリニューアル、1,000万円を超える見積りもザラです。その費用をおさえるノウハウを紹介したゼミのハイライトその3です。
エレベーターのリニューアルで競争がないと管理会社などが時には1,200~1,500万円といった見積りを持ってくることもあります。管理組合が費用の相場を知らないとそんなものかと思ってしまいますが、こうした場合は独立系を含めてきちんと競争見積りを実施すれば600万円程度の提案が得られるはずです。その上で独立系への変更を含めてメーカーと交渉することにより費用の削減をはかります。
エレベーター部品はメーカー専用品となっていて、一部のメーカーでは同等品が10万円程度のものに200万円以上の値段をつけているケースさえあります。こうした部品を使っていては費用削減に限界があります。しかし、マンションによっては築年数が経っていて今更エレベーターに大きな費用は掛けられないということもあります。こうした場合には、エレベーター業界には大手以外の独立系業者もたくさんあり、汎用のリニューアル部品を使って600万円の半額以下程度の費用でリニューアルを実施することが出来る場合もあります。
一時期エレベーター業界では「2012年問題」として古い機械の交換部品がなくなるので機種の更新を勧めるという動きがありました。実際には海外市場や中古品を含めて部品はまだまだ入手できます。一方で、古くなったエレベーターのモーターや制御系など部品のリニューアルをいくら引き伸ばしても建物全体の寿命の時期が来てしまう場合があります。これを40年~50年と考えると、むやみにリニューアルを引き伸ばすより、20年~25年程度でリニューアルした方が合理的ということになります(特にPOG契約の場合)。エレベーターのリニューアルは長期的な見通しをもとに判断するのが得策です。
エレベーターの問題について管理組合としてどのような対応がよいかは、設置時期、フルメンテナンスかPOGか、メーカー・機種・不具合の発生状況、管理組合の財務状況等によって異なってきます。エレベーター業界には一般に知られていないことが多く、管理会社やメーカーの提案をうのみにせずに個々の状況に応じて当(社)管理組合支援センターの専門家に気軽にご相談いただければと思います。
(投稿日:2014年11月13日 | カテゴリー:エレベーターのメンテナンス)