春の総会シーズンを迎え、新たな理事会体制になる組合も多いことと思います。管理組合の中には、理事のなり手がなく悩みになっているところがありますが、それととともに、理事会の出席率が悪くて困っていているところも多く、これに関する相談をよく受けます。理事を立候補で選出する場合は、主体的な運営ができてよいのですが、毎年理事が交代する「輪番制」を採用している組合では、理事会に出席する理事が集まらず、理事会成立もままならないという事態が起こります。標準管理規約では理事会の成立要件は理事定数の半数以上です。7名の理事がいれば、4名の出席が必要ということになります。その出席率を高める方法について考えてみましょう。
理事会の出席率を高めるよい方法はないか。
その方法を考える前にまず、なぜ、欠席が多いか、その理由を確認しましょう。
欠席の理由として多いのが、仕事の予定があって無理。家事、育児、介護などで外出しづらい。そもそもやる気(意識)がない(または低い)…などです。
こうした理由の解決策として考えられるのは、
①日程の調整です。例えば毎月第3日曜日午前10時~などと歴代開催日を固定する組合も見られますが、日程は固定するのではなく、理事の皆さんで出席しやすい曜日、時間帯を話し合い、柔軟に決める方法があります。週末の特定の時間だけでなく、平日夜に開催する組合もあります。シフト勤務で土日は休めないと言う方がいるのであれば、こうした理事の休日となる平日の夜に設定するなど、理事の皆さんの都合に可能な限り、近づけていく方法は考えられないでしょうか。
②次は負担の軽減です。家庭の事情などで長時間外出しづらい場合もあります。理事会はダラダラ運営せず、1回の開催時間は最長で2時間をめどにしましょう。また幼児など子どもを家に置いて出られない場合は、子ども連れで理事会に来て、傍らで遊ばせるくらいの配慮がはできるとよいのですが…。職場に子ども連れを認める企業が現われるご時世です、管理組合としても何らかの配慮はできるのではないでしょうか。
③開催案内の工夫もあります。理事会の開催はメールや掲示板、開催通知書投函で通知を済ませる管理組合も多いですが、通知を出しておしまいではなく、欠席がちな方には電話で直接案内する方法をご提案します。それも管理会社から事務的にするのではなく、理事長から直接電話することがより有効です。それは欠席する方も理事会には出席しなくてはならない義務だと感じているはずだからです。
このほかに一定の報酬を出すことでモチベーションを高める方法もあります。標準管理規約では役員報酬を認めており、マンション総合調査(平成25年)では21%の管理組合で報酬を設けています。なお報酬制を導入する場合には、年間の定額制ではなく、理事会等への出席に応じて支払いすることは当然のことでしょう。また報酬は一定の効果はあるとはいえ、あくまでも補助的対応策です。「報酬は要らないから勘弁してくれ」と開き直られることもあるため、報酬だけに頼るのは危険です。また一定の出席率を下回る場合には留任いただくなどのペナルティなど考えられますが、こうした対応は規約の改定とも絡んできます。まずは現実的にできるところで、欠席がちな理事の気持ちになって対応策を考えてみましょう。
理事会の出席率が低いと諦める前に、実行できるところから取り組んでみませんか。
■お問い合わせ先
TEL/FAX: 03-5820-2152 平日10:00~17:00(来所は月・火・木のみ)
Email : info@kanri-kumiai.jp
★ご参考になりましたら、ぜひクリックをお願いいたします!
住まいブログ マンション管理・経営支援
(投稿日:2017年04月24日 | カテゴリー:マンション管理組合)