マンション管理組合の健全な運営に役立つヒント集
理想の管理員とは？
理想のマンション管理員とは？
さて、前回のブログで、「管理員さんはそのマンションの顔ですから、良い管理員さんのいるマンションは幸運です。」と書いたので、その続きをお話しようと思います。
管理組合の中には「管理員は管理員室にいつも座って楽な仕事だ」という方もいらっしゃるのですが、とんでもありません！管理員業務は体力も気も使う大変な仕事です。業務の中に清掃が入っている場合は、朝夕、マンションを巡回しつつ清掃を行います。雨の日であれば、エントランスが滑らないように配慮する必要がありますし、雪の日は早々に雪かきをすることになります。また、以前ブログでも書きましたが、秋の紅葉シーズンは落ち葉との闘いになります。
マンション設備の定期的な見回り、訪問者や住人の問合せへの対応、工事業者や宅配業者等への対応、ごみの分別や不法廃棄の処理、駐車場・駐輪場の見回りなどキリがありません。正直、管理員室でゆっくり休んでいるということは、ほとんどないのです。
以前、管理会社勤務だった頃の先輩で、退職後、管理員をしている方がいます。元優秀なフロントマンで、なおかつマンション管理士でもある方なので、最強の管理員さんと言えます。その方に管理員業務で一番大変なことは何か尋ねると、「マンション住人の方々を平等に扱うことだ」と話していました。
とにかく住人の方々は管理員さんの動向を良く見ているそうで、挨拶や話しかけも皆同じにしないとクレームになるそうです。
子どもが多いマンションなので、たくさんの孫ができたみたいで、楽しく仕事しているということでしたが、気をつけて接しないと、「管理員さんが○○ちゃんをえこひいきしている」とクレームを言う方がいるのですって。ちょっと驚きました。なので、とても感じの良い親子や、かわいい子どもがいても、顔には出さずに、いつもクールに平等になるよう接しているし、旅行帰りのお土産やお礼などももらうとかえって困ってしまうと話していました。
管理員業務は共用部の管理がテリトリーですが、それを知らない住人の方が専有部のトラブルも相談にくるので、それを上手にお断りするのも気を遣うそうです。一つ手伝うと、それをするのが当たり前になってしまうからですね。とは言え、その断り方も上手にしないと、これもまた後々トラブルになってしまうので、コミュニケーション能力が高い方でないと管理員さんは勤まりません。
また、管理会社と管理組合の懸け橋となる役割も担っていますので、その点でもマンションで起こった問題点の早めの発見、対処、報告が必要になります。その点では機転が利いて、素早く動けることも大切だと思います。
退職後の仕事として管理員になろうという方もいらっしゃると思いますが、ちょっとマンション内を掃除して、あとは楽々管理員室でお茶を飲みながら、新聞を見て…なんてことは想像に過ぎません。
身体を使い、気も遣い、さらに気持ちはあまり表に出さずにクールでいることも大切な仕事ですので、理想の管理員になるにはかなりハードルが高いようです。
もし皆様のマンションの管理員さんがそのような人であった場合はとてもラッキーです。是非とも、良い関係を保ち、末永く勤めてもらうようにしてください。仕事といえども感謝の気持ちをお忘れなく！
（マンション管理士 Ｃ．Ｎ）
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住まいブログ マンション管理・経営支援
（投稿日：2017年04月3日 ｜ カテゴリー：マンション管理組合）
