2月22日に開催された第3回マンション管理ゼミ、今回のテーマは「給排水管の改修工事・長期修繕計画の適正化!!」です。ゼミレポートの2回目は配管の寿命と老朽度調査および配管にダメージを与えないための注意点についてです。
現在大多数のマンションの給水管に使用されている塩ビライニング鋼管は内側が塩ビ樹脂で覆われているため管自体がサビることはなく、直管部分は30年以上もつと考えられます。
一方で、配管には直角に曲るところや他の配管との接続部分等があり、こうしたところは管にネジ切りをして金属製の継手に接続されるため管の切断端面等が水に触れること、異なる種類の金属どうしが接触することによってサビが発生・進行しやすくなります。これらの部分にどの程度サビが出来て腐食が進むかは継手の防食加工や現場施工の良し悪しにもよるので一概には言えませんが、給水管全体の寿命は継手部分のサビの進行状態によって決まることになります。
配管内部のサビの状態等は外側から見ただけでは分かりませんが、これを調べて配管の改修時期を判断するために配管老朽度調査をすることが出来ます。
給水管の老朽度調査は、10階建のマンションなら上層階・中層階・下層階から各一戸程度の参加協力を得て行います。サビの進行しやすいMB(メーターボックス)内の配管をサンプリングのため切断して内部のサビの進行状態をみます。切断した部分は同じ部材で修復した上で漏水等がない事を確認します。時間的には一戸当り40分程度です。
排水管の調査では、排水管を切断するとその間多くの居住者が水を流すことが出来なくなり影響が大きいので超音波やX線を使ってサビの進行による管の肉厚の減少を見る方法が使われることがあります。また、内視鏡やCCDカメラを使用して管内の状態を観察する方法もあります。排水管は腐食が進んでいても問題が表面化しにくく高圧洗浄で突然穴が開く場合もあるため25年を過ぎたらこうした調査を検討する必要があります。調査に要する時間や費用はどこまでやるかによって変わってきます。
水道メーター等が収容されているMB内は継手が多く、また水道メーターには配管部分と異なる種類の金属が使われていることもあってサビの進行しやすい箇所が多いところです。MB内を物置代わりにして重量物などを入れると衝撃のサビてで弱くなった部分が破損して水が噴き出すこともあるのでこうした使い方は避けましょう。
太い立管から分岐した所についているバルブ(ゲートバルブ)を閉めるとそこから先の水の噴出を止めることが出来ます。これを知っておくといざという時に役立ちます。
キッチンの流しの下を開けてみると排水管にグレーの塩ビ管(硬質塩化ビニール管)が使われているはずです。塩ビ管自体はサビることなく酸やアルカリにも強いので本来屋内使用では長い寿命があります。ところがこれにも継手部分に弱点があります。調理のゆでこぼしなどの熱湯を一度に流すと継手部分の接着剤がはがれて漏水の原因になります。熱湯を流すときは水を流しながら少しずつ流すようにしないと思わぬ漏水事故になることがありますので注意が必要です。
日時:2015年7月26日(日)13:30~16:50
場所:ちよだプラットホームスクエア ミーティングルーム002(地下1階)
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-21
TEL: 03-3233-1511
講師:
相崎 博之※要予約
申込方法:要予約。メールまたはお電話にてお申し込みください。
Eメール:info@kanri-kumiai.jp
TEL / FAX:03-5820-2152
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(投稿日:2015年07月24日 | カテゴリー:マンションの長期修繕計画)