マンションの管理委託費用で大きな割合を占めているのがエレベーターのメンテナンス費用です。特に機械のこととなると全然わからないので、点検業者から「メンテナンスの回数を減らすと安全性に保証が持てません」等と言われると、そのまま信じざるを得ません。
しかも、マンションは戸建てと違い理事長や理事会の決定がそのまま多くの居住者の安全面に跳ね返ることになり、管理組合はついついおよび腰になります。また、専門性が高くなればなるほど、消費者にわかりやすい情報開示はほとんどされていない場合が多く、点検費用や点検回数の基準すらつかめません。
不特定多数の出入りが少ない、マンションなのに、月2回のメンテナンスが実施されるのが多かったのが2000年代頃でした。しかしその時代でも、交渉によって月1回に変更した例は数多くあります。しかし、コンピューター化された以降のエレベーターは、遠隔監視を導入することで年4回の点検が主流になっています。しかし、コンピューター化されていない1980年代頃までに製造されエレベーターは、いまだに月1回の点検が主流です。
このように点検回数は安全にかかわるものではなく、業界が勝手に定めているとも受け止められます。点検回数は、法的な定めもなく、原則は定期検査(法定検査年1回)を実施すれば、管理組合の義務は果たせます。
(投稿日:2014年10月1日 | カテゴリー:管理委託費)