あなたのマンションの管理費がどのように使われているか、ご存知ですか? 居住者全員で拠出した大切なお金。その使われ方に関心をもたないと、大変なことになるかも・・・!?
マンション購入時の名義が世帯主、そしてそれが男性というのは未だに多いが、時代も変わり分譲業者も営業戦略として単身者も含めて女性をターゲットにしてきたこともあり、女性がマンションを購入しやすくなりました。そのため、マンションの管理組合活動にも女性の理事長就任が増えてきました。一昔前であれば、マンション管理は専門的な知識が必要であり、女性が理事になって管理組合を運営するのは難しいという風潮がありましたが、むしろ正義感や生活感覚からくる経済観念の強いのは女性であり、昨今の相談から見ると「女性の方が理事や理事長に向いているのではないかしら」と思えます。
理事長に就任せずとも、理事に女性が加わると何が変わるのか。女性は、管理費や修繕積立金について、財産管理の視点よりも生活費の一部として見ていこうとする姿勢があるように思います。その視点からすると「どうも玄関まわりが汚い。掃除がされていないのではないか」「サービスの内容に比べ毎月の管理費が高いように思う」など、身近な暮らしから管理費や修繕積立金に疑問を投げかけます。
最近、五階建て一棟、八十八戸、築七年のマンションの理事を務める四人の女性から相談を受けました。「現理事長(男性)の運営体制は管理会社の言うがまま。管理サービス内容について疑問を投げかけても、管理費についてチェックするどころか、大手企業の管理に不平を言っている我々がおかしいという」といった内容でした。そこで女性の有志が集まり管理に関する勉強会をスタートさせ、そのための知識や情報を集めているところでした。
相談の折に、管理組合の総会議案書を持参してもらい、決算報告書の管理項目と委託費をチェックしてみました。通常、管理項目には事務管理業務、管理員業務、清掃業務、設備点検業務があり、これら四つの業務を委託することを全面委託と言います。この管理会社への管理委託料金として千六百万円が計上されていましたが、八十八戸の規模ではかなり高額であり、さらに、その中身の詳細までは組合員に知らされていませんでした。
例えば、管理員雇用費として月ごとに六十二万五千円とあるだけで、具体的な仕事を提示しそれぞれいくらでという明細がない。さらに、清掃業務には高額な三百二十万円(年額)という数字が計上されているだけ。これでは管理員にも清掃させ、さらにこの清掃業務費からも日常清掃が予算化されているとすれば、清掃費用を二重に払っていることになります。
女性理事らはこの点を追及していくことになりました。
マンション購入時には、住宅ローンや管理費、修繕積立基金などシビアにチェックし吟味しますが、購入してしまうとその後の出費に関しては賃貸のように気楽な気持ちでマンション暮らしが始まるようです。今回のケースは、女性理事らの指摘で問題化しましたが、管理費や修繕積立金などのお金の流れと使われ方をチェックすることが、マンションの快適性を保つ第一歩ということをもっと知って欲しいと思います。
(投稿日:2014年10月17日 | カテゴリー:管理委託費)