マンション管理組合支援センターでは幾度となく民泊問題を取り上げていますが、この度民泊の本場でありますハワイでの民泊に挑戦してきました。また、直近のハワイマンション情報を得るため、セッティングしてもらい地元不動産屋さんによる不動産物件視察にも行ってきました。
今回は滞在した民泊施設で感じたことをお話しします。
場所はワイキキから車で30分のダイヤモンドヘッドを見渡せるオアフ島南部地域でカワイホア岬の先っぽ。大きな戸建ての家が立ち並ぶ中、室内にプールのある大きなお屋敷が今回の民泊場所でした。その宿泊費用は、退出後の清掃費込みとなりますが、参加者6名でシェアすると一人1泊あたり1万6千円ほどでした。
築40年なので、そこかしこに古さは感じられるものの、内部はとてもきれいに清掃がされ快適に過ごせる空間でした。主賓室1室+ゲストルームが2室、ダイニング1室、リビング2室でしたので、ベッドは4台でしたが、6名でも十分ゆっくりできました。
その他に素晴らしいロケーションのテラスがついており、そこで朝食、夕食をとりました。気候が日本とは全く異なり、海風がさらっとしてベタベタしない。磯臭さも感じない。毎朝、絶景のテラスでヨガができたのは最高でした。
目が飛び出るほどではない費用で、広くて快適な非日常的空間を仲間だけで過ごすことができるのは、民泊だからこそできるメリットで、とても満足でした。
この様に書くと素晴らしい事ばかりなのですが、残念ながらデメリットもありました。まず古い建物なので、設備がすぐに壊れます。トイレ、IHヒーター、流し台、窓が滞在中に使えなくなりました。テラスへの窓の鍵はそもそも壊れていて、つっかえ棒で侵入を防ぐ有り様。
トイレのつまりは切実な問題なので緊急対応の人を呼びましたが、なかなか来ない。来てもバコバコと吸盤で応急処置を行うだけでした。またいつ詰まるか不安なので3つあるトイレの1つは使用禁止としました。前から壊れているのでしょうが、直すには大変な費用がかかるので、今後直すかどうかわからない感じでした。
修理を頼むため、滞在中、2回対応を求めましたが、まず英語が使えないと話になりません。またホテルであれば他の部屋に移動などの手当てもできるでしょうが、民泊の場合、それはできません。ホテルの万全さ、対応の早さとは違うのだ。またそういうお国柄なのだと思う寛容な気持ちが大切です。
先日の外資系の会社に勤める夫を持つ知人との話を思い出しました。世界中からくる商品などのクレーム対応の半分が日本人からによるものだということでした。「外箱が壊れている。使い勝手が悪い…」と言った、それは商品に問題があるのとは違うのではないかと思われる内容も多く、とにかく全額返金を求めるクレームが多いそうです。
私が過去に受けた消費者からのご相談で、海外メーカーのプリンターについてお客様対応の方にお話しを伺ったことがありました。「なぜ日本人は自分でやらずに全てメーカーのせいにするのかが不思議だ。海外では自分で購入した物を、購入者がメンテナンスをするのは当然のことだ。商品を購入する際、購入者がその商品を理解し、選択したからには、その選択した物を自らが責任を持ってメンテナンスしなければならないと考えているので、まず自分で修理してみる。それでも直らない場合は、どのように修理をすれば良いのかを聞いてくる。それで修理できなければ交換する。しかし日本人は説明書すら読まず、修理を試みもせずに全てをメーカーの責任にして、クレームをつけ、返金をせよとずいぶん厳しい対応を求めてくる。とても対応に手を焼く場合が多く、厄介なので、交換対応している」ということでした。
『自分が買った物に対して、自分がメンテナンスを行うのは当たり前。説明書も読まず、使い方も理解せず、クレームをいう日本人が多い』という言葉は衝撃的でした。確かに海外では、中古の家を買い、自分で大工仕事をしながら家をどんどん改造していったり、ペンキを塗ったりしていますよね。
「すぐに壊れた、どうしてくれる、金返せ!」という前にまず説明書を読み、使い方を理解する。不具合があった場合のケースがあるので、解決するためにできることは自分でやってみる。それから修理を頼むという姿勢は大切です。私達が住んでいるマンションでも同じことが言えると思います。自分が購入した物に責任を持ち、メンテナンスを行う。人任せで誰かがやってくれるのを待っていてはいけないのです。
今回の民泊では、あちこち故障しても、すぐに対応されなくても、寛容な気持ちがないと気持ち良く過ごせなかったでしょう。私も機械は苦手ですが、説明書は良く読み、せめて正しい使い方はしないといけないなと、素晴らしい景色を見ながら、その様なことを考えた次第です。
(マンション管理士C.N)
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(投稿日:2017年07月7日 | カテゴリー:民泊)