今年も早いもので年の瀬。新年はもうすぐそこに来ています。そんな時期にあたるので、今回は令和の一年をマンション中心に振り返ってみましょう。
平成が終わろうとする3月には東京都マンション適正管理促進条例が施行されました。まだ世間では知名度が低い条例ですが、来年の4月からは昭和58年以前の6戸以上のマンションで管理規約の更新や大規模修繕工事実施の有無などの届出制度の義務化が始まります。マンションとして大規模修繕工事などやるべきことをしっかりやっていないと、「管理不全の兆候がある」マンションと、レッテルを貼られることになるのです。
4月には5年に一度の国土交通省による分譲マンション実態調査結果が公表されました。高齢化が早いスピードで進行する中、現在の管理組合の課題が浮き彫りになりました。
6月には住宅宿泊事業法の施行1年を迎えました。既に多くの管理組合では民泊に対する禁止方針を決めていますが、この先どうなっていくのでしょうか。その他、空き駐車場区画増加に悩む管理組合には朗報とも言える東京都の駐車場の附置義務が3月に緩和されました。これにより実態に合わせて機械式駐車場の一部廃止など柔軟な対応ができるようになりました。
また今年は災害が多かったことも記憶に新しいところです。台風15号、19号とマンションにも被害が続出しました。これまでのマンションでの防災は地震対応が中心でしたが、これからはマンションでも台風や大雨による浸水などの事態も想定しなければならないと、教訓になりました。こうした災害の多発に起因し、保険業界では保険料率改定もあり、10月からはマンション保険が上がりました。特に高経年のマンションでの上げ幅が驚くほど大きくなりました。一方で無事故割引の導入などもあり、年々厳しくなる保険については複数社の条件を比較した賢い選択が求められるようになってきました。
こうしてマンションに関わる令和時代のトピックスを駆け足で見てきましたが、言えることはこれまで以上にマンションの適正な管理が求められるようになってきたということです。
来る2020年、いっそう重みを増すマンション管理の重大性。私たち一人一人がしっかり取り組んでいくしかないということです。
(マンション管理士 K.I)
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